【10/1『食の職』トークイベント レポ】 〜その6〜
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”テロと飲食”

副) なんですかこれは(笑)

店) 酔っ払って書いたんで・・すみません(苦笑)

木) テロと飲食!

店) 僕らがベルクを始めたときのことをちょっと思い出しまして。親があの場所で昔ながらの喫茶店やってまして、飲食業で営業許可とってますから、後を継ぐならまあ飲食かと。場所が優先してましたので、業種に関してはそんな消極的な感じで・・

木) この本(新宿駅最後の小さなお店ベルク)に書いてありますね。

店) 実をいうと、20年前にも追い出しはあったんです。ある意味、繰り返されてることなんですね。ルミネさんが特に例外というわけではなくて。

木) 20年前、ビルの名前はマイシティですよね。

店) ルミネエストの前はマイシティ、その前は新宿ステーションビルディングです。まあビルの名前と関係なく、トップ(経営陣)はどんどん入れ替わるわけで。

木) 井野さんのおじいさんが、ビルの実力者だったんですよね。

店) はい。それでうちの親はあそこに店が出せました。

副) トップが入れ替われば、急にうとまれる存在になります。

木) 戦国時代ですね。

店) 情勢が変わるのは当たり前ですよね。ただ新しいトップが、古いトップのカンケイのお店を追い出していくわけです。そもそも、うちもそうですが、トップのコネだけでテナントが決まるなんて(公共性の強い駅ビルという施設で)、フェアじゃないじゃないですか。うちも40年前、公衆電話のコーナーだったところを、じいさんの権力でむりやり店にしたわけです。ベルクは公衆の場を奪ったと(苦笑)、当時、新聞の記事にもなったそうです。先日、母から聞かされてびっくりしました。まさに歴史は繰り返す、です。

副) それであんな細長く曲がった、ウナギの寝床みたいな形なんだ。

店) もちろん、昔は今みたいにロコツに追い出しができない。営業権というのがありますから。2000年以降、テナントの営業権が守られない契約(定期借家契約)も認められるようになりました。それ以前の駅ビルの追い出しは、毎年フロアごとに大改装して、そこで改装協力費と呼ばれる、何千万円というお金をテナントに負担させるわけです。

木) 払えなかったら出てけと。

店) そうです。よほど展望(店をやる意志)がないと、いくら法的に守られてても大借金抱えてまで続けようとは思わない。まあ逆にいうと、大借金しようが何しようがお金さえあれば残れた。そういう選択の余地はあった。世の中、金かー!とはいいたくなりますが、わかりやすいといえばわかりやすかった。
次のフロア大改装がいよいよB1だというときに、うちも選択を迫られたわけです。残らないなんてもったいない!出て行ったら、うちみたいな零細は永久に戻れない場所だ、と。弟たちはすでに店を手伝ってましたが、僕みたいな放蕩息子でふらふらしてるだけの、そんなやつにいきなりいわれてもねぇ(苦笑)親は、なにあなた?という感じでした。接客業は自分から一番遠い世界と思ってましたし、後を継ぐなんて発想はまったくなかったんです。それが急にあの場所に未練を感じ、何の後ろ盾もないベルクが生き残るには「実績あるのみ」とかなんとかいって、あの場所を占拠したわけです。

木) 井野さんのお母さんのお店を。

店) そうそう。あの頃、僕は20代後半の世間知らずで。いつか革命が起きたら・・そんなことばかり考えていました。

(会場、ざわめく)

木)(笑) 

副) そうだったんだ(笑)

店) 革命のとき、あそこが新宿の第一拠点になって、革命戦士たちをかくまえるんじゃないかと。

木) 表向きはカフェ。実は、陣地。

副) 今、案外そうなってるかもしれない(笑)

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店) まったく馬鹿げた話ですけど、そういう感覚があったんです。それで7千万円という借金をして合法的に占拠して、占拠した以上、飲食をやらなきゃならなくて。

木) 飲食業の許可しかおりてないから。 

店) しかも長く占拠しなければならない。革命はいつくるかわからないから。

木) いろいろ備えておかなければなりませんものね。

店) 何年後に来るかわからない。それまで飲食としてしっかり売上あげて、実績をつくっておかないと、家賃は払えないし、駅ビルに対して立場は悪くなるし、占拠し続けるのが難しくなります。飲食という土台にすべてはかかっていたわけです。

副) 私は真面目にいいお店をつくることしか頭になかった。

店) その時の感覚が、今もどこかベルクに残ってるんじゃないか。新宿がどんどん明るくきれいに無臭に無難になる中で、何が仕掛けられてるかわからない、地雷ゾーンみたいな・・

副) さっきから過激だよ(笑)

店) 先日、うちのスタッフが店先でこんな会話を耳にしたそうです。”この店の特徴は?”という質問に、連れの方が”まず第一に、考え方がロック”って

木) かっこいい!

店) そういうヤバさというか、通り一遍でない雰囲気を皆さんも感じるのかなと。
飲食に関しては、土台にするしかないという(消極的な)ところから始めたので、今回”食”というテーマで本まで出せたのは、感慨深いものがあります。

副) なるほど~。うまく着地できました。

(つづく)

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by bergshinjuku | 2010-10-27 01:44 | +その他+
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