店はお客様とのコラボ ーーベルク店長、ネット上の批判に答える #BERGjp

店はお客様とのコラボ
ーーベルク店長、ネット上の批判に答える



1万5千人が署名した請願書に応えるかたちで、一度はベルクの立ち退きを「延期」した家主のルミネさん。しかし2010年10月1日、「延期」を撤回する(11年3月までに出てけ)という文書がルミネ新社長からベルク店長に届けられました。理由については、依然、書かれていません。新聞やネットのニュースでも報じられ、巷では「またか!」の声。店長に聞いてみました。

▼立ち退き騒動は終わってなかったんですね。
「す、すみません」
▼前回は同情的な声ばかりでした。今回はさすがに「また?」という反応もあるようです。
「私も、また?と思いました」
▼もちろん、騒ぎの元はルミネさんです。ただやむを得ないとはいえ、騒いでるのはベルクということになります。「また?(うんざり)」の矛先はベルクにも向くんじゃないでしょうか。
「ほんとすみません」
▼ネット上でちょっと気になった声をひろってみますね。
「はい。何なりと(笑)。でもクレームなら、直接言っていただきたいですが」
▼いえ、クレームというより、もう少しひいた意見です。例えば、けまらしい。とか、学生運動的なところがちょっと‥とか、(立ち退きに関するベルクの言動は)すべて計算づくなんじゃないかとか。アングラサブカル的なところがどうも‥とか。
「耳が痛い(笑)。でもそれは批判というより、店の印象ですね」
▼でも印象って、商売上、大事なポイントじゃないですか。
「おっしゃる通りです。けまらしいって、何ですか?」

▼これはネット上の造語で、誰かと誰かがつるんで、のけ者にされた感じをいうらしいです。お店の場合、常連主体で、初回客が入りづらいのは、けまらしいんじゃないですか?
「身のひきしまるご意見です。店というのは、常連さんに色々な意味で助けられます。本当にありがたいことです。ただそれに甘えちゃいけない。緊張感を失ったらおしまいですね。初心忘れるべからず。あとベルクって、ちょっとわかりにくいでしょう」
▼というと?
「何屋か。カフェか、居酒屋か、カレー屋かお弁当屋か。お客様まかせなところがあります。それが慣れないお客様にはとっつきにくいのでは」
▼まあ何度か通ううちに、こういう店かとは思いますが。
「そうそう、慣れの問題ですね(笑)」

▼学生運動的という意見もあります。ずいぶん、とうのたった学生ですが。
「バンダナのかわりにヘルメットかぶって、包丁のかわりにゲバ棒握りましょうか」
▼やはり店で署名集めたり、ビラ置いたりしてるからでしょう。イメージ的にいわれてしまう。左翼的とか。
「フライヤーですね。お客様が置いていかれるものです。ほとんど映画やコンサートのお知らですよ。あとは店の商品説明とか。政治的なものは少ない」
▼少なくても、あることはある?
「来るものは拒まず、で(一言、お断りいただければ)」
▼店内での署名活動は、あからさまに政治的な印象を与えます。
「店の存続にとりまして、お客様の声は最後の切り札。だから、法的にも効力のある署名という形をとらせていただきました」
▼それにしても、飲食店には似つかわしくない。
「そうですね。ただ僕の見る限り、意外と拒絶反応は少ない」
▼常連さんはそうでしょう。
「署名なんて、私は一切しない。しかし、これだけは例外とわざわざ断ってサインして下さる方もいます(笑)」
▼署名という文字があるだけで、店に入るのが怖い、入れないという若者もいます。
「でも、中が気になる?」
▼評判を聞いて、覗いてはみるけど、あと一歩踏み込む勇気がない。
「じゃあ時間の問題だ(笑)。少し脱線になりますが、私たちが政治にダイレクトに参加する手段って、3つしかないんです。まず選挙。それから署名。そしてデモです。このうち最も効果的といわれるのが、デモ(中古電気製品販売を規制するPSE法が、高円寺のリサイクルショップ「素人の乱」のデモなどで改正された)、次に署名(8万人集まれば、法律も変えられる)、最後が選挙。投票ですね。ところが日本では、デモや署名はゲバルト(過激な左翼)のイメージと重なって、「野蛮な行為」になってしまった。もったいない。昔は一般市民もふつーにデモしたのに」
▼時代が違いすぎます。
「日本じゃあまり報じられませんが、アジアや欧米では何万人規模のデモが日常茶飯事でしょう」
▼お国柄の違いでしょう。しかしぶっちゃけ、店長は左翼ですよね?
「かもしれません」
▼左翼って、何ですか?
「いい加減?(笑)」
▼自分の性格ではなくて。
「僕はコスモポリタン(世界市民)に憧れるんです」
▼ボーダレス(国境を越える)?
「国というのは制度というより、文化だと思うんです。その土地柄、その風土にあう衣食住ってありますね。それはある程度守られるべきものだし、ある程度変化するものです。地球自体がじっとしてられない。人間も様々な場所に移動したり、交わったり別れたりします。そういうところで生まれたり消えたりするのが文化じゃないでしょうか」
▼それはとてもベルク的な考え方ですね。では、右翼とは?
「国はこうあるべきという確固たる理念、美学がある」
▼それはイケないこと?
「いや、りっぱです。ただいずれにせよ、国と国家(権力)はわけて考えるべきですね」
▼左翼と右翼は対立する?
「左翼をなのる人と右翼をなのる人が、たまたま何かのきっかけでぶつかることはあるでしょう」
▼左翼はいい加減で、右翼はりっぱ‥そんな定義でいいんですか(笑)。
「僕自身、左翼的な面もあれば、右翼的な面もあるだろうし」
▼左翼というのは、ずばり反権力じゃないですか?
「権力者には権力者の美学や理念があります。そりゃあっていい。でも、慎ましやかであってほしい(笑)。ただでさえ圧倒的な力を持つわけですから」
▼そうか。それを力で押し付けられると左翼は反発するのか。
「左翼に限らず、反発する人はします(健康増進法?余計なお世話。みたいな)」
▼でも、長いものに巻かれろ、が世の風潮では?
「何であれ、一方的な押しつけというのはちょっと待ってほしい」
▼店長はアナーキスト?
「いや、ちょっと待ってほしいだけ(笑)」

▼立ち退き騒動を計算づくでやってるんじゃないかというご意見については?
「すみません。そんな賢くありません」
▼正直、利用してるところないですか?注目をあびることで、売上ものびてる。
「うちのような薄利多売の商売は、目立ってナンボです。とはいえ、こういう形で目立つのは望まくない。署名活動してる以上、何らかの動きがあればご報告します。でも騒ぎになるのは結局イメージダウンです。単に『立ち退きの店』というレッテル貼られてしまう恐れがあるから。ただお客様の応援がなければ、今、ベルクが存続してないのも事実です。多少騒がしいのは、ごめんなさい、目をつぶって(笑)」
▼イメージダウンやほとぼりがさめるのを、ルミネさんは待ってるのでは?表向きはひたすらノーコメントって、ズルいとはいわないまでも賢い、かも。
「うちに対してはただひたすら出てけとおっしゃる」
▼腹をわって、話し合いというのは?
「専門家に注意されたんです。用心なさいと。相手のほうが経験を積んでるから。誘導尋問にのせられたりしないように、と」
▼あちらにマニュアルみたいなものでもあるんですか。
「聞いた話ですが、例えば、『1年以内に出てけ』『1年なんて早すぎだ』『では2年で』『せめて3年だ』『では3年で』と3年の定期契約にサインさせられる(営業権喪失)。あるいは、『出てけ』『そのつもりはない』『じゃーここはファッションゾーンになるので、せめてこちらのフードゾーンに移動してもらえないか』『まー出てかなくていいなら』と移動する。『では、場所が変わりましたので、契約内容が変わります。こちらの新しい契約書にサインして下さい』と差し出されたのが1年の定期(営業権喪失)。『定期にはサインできない』『では、契約不成立』チャンチャン」
▼なるほど。じゃあどうすればいいんですか。
「相手に何をいわれても、ひたすらニコニコ、現状のまま続けさせて下さい、よろしくお願いしますと頭を下げる」
▼実際、そうしてる?
「はい。ひたすらニコニコ頭下げてます。ルミネさんはひたすら出てけと。永遠にその繰り返し(笑)」
▼ルミネさんは、立ち退きの理由をいまだに明かされません。ベルクに何の落ち度もなく(むしろ売上アップ→歩合制で賃料アップ→ビルに貢献)、差し迫った事情もない。謎だけが深まる。ご自分たちの秘密基地にでもしたいのですか
「色々考えちゃいますよね。一応、私なりの見解を新しい署名用紙の脇に書きましたので、よかったらお読み下さい」
▼「ファッションビルだから(飲食店は要らない)」というのは、今のところルミネサイドから発せられた唯一のコメントです。店長がよくいうように、ベルクはでもビルの外にあり(真上は空き地)、むしろJRと丸の内線を結ぶ通路に面しています。ファッション店より一息つく店のほうがふさわしい、とは誰もがいいますが。
「そうですね。立ち退き騒動が起きるまで、あそこがルミネだとは誰も思わなかった(笑)」
▼やはり、例外は認められない、という組織の論理なのでしょうか?
「そうですね。硬直した‥」

▼ただ、ベルクも一息つくにしては、独特な雰囲気が強すぎます(笑)。
「恐らく、壁の展示作品(月替わりの写真展、時には絵画やポスター)が醸し出す雰囲気でしょう」
▼あの展示は、店の企画?
「いえ、作家の方に無料解放してるんです」
▼審査基準とかありますか?
「独断と偏見(笑)」
▼だったら、店の趣味が反映されてるわけだ。
「うちのスタッフたちは、可愛いネコちゃんの写真が見たい!もっと癒されたい!とも申しております」
▼やっぱ、アングラ的なものをベルクが呼び込んでしまう?
「けっこう毎月バラエティーに富んでるんですけどね。可愛いネコちゃんの月もあります」
▼12月の展示がストリップ小屋の写真って、もろアングラじゃないですか!
「(笑)詳しくは→『歌舞伎町と牧瀬茜 ①』http://zoome.jp/whiteproduction/diary/322/
▼応募資格とかありますか?
「最初に次の3つをご了承いただいてます。まず、応募がわりと殺到してて、1年くらい先まで埋まってます。最初から打ち合わせを希望される方が多いのですが、難しくて(以前はやってました)。まずメールでのやりとりになります。あと、作品が汚れたり傷ついたりしてもうちでは責任がとれない。それから、原則的に応募は作家本人に限るということです」
▼紹介とかあるんですか?
「自分の好きな作家をぜひベルクで!というリクエストをよくいただくんです。でもあの展示は、作家とのコラボみたいなもので。ご本人がベルクをある程度ご存知で、なおかつやる気じゃないと難しい」
▼それがあの装飾を越えたムードを生み出してるわけか。
「ギャラリーではないので、作家にとってはやりづらい場所だと思います。ちょっとやそっとのことでは店のパワーに負けてしまう(笑)。作品自体の力も問われますが、そういったことも含めて面白がれる作家じゃないと‥(経験の浅い方ほど、ギャラリーより気軽に考えがちですが)」
▼店のパワーって、あの雑多な雰囲気?
「そうです。ベルク自体が、お客様と店とのコラボみたいなもので」
▼それが、慣れない人には「けまらしい」(笑)
「いや、大丈夫。最初は慣れなくても、時間の問題(笑)」
▼最後に。新しい署名活動について、一言。
「はい。1万5千人の署名を受けて、ルミネさんは立ち退きを一度延期されたのですが、トップが変わったらリセットしちゃったみたいで(笑)。こちらもリセットでふりだしに戻り、新しい署名用紙をご用意しました」
▼前回署名した人もできる?
「できます。新たな気持ちで、よかったらぜひ!」

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by bergshinjuku | 2010-11-28 22:26 | +その他+
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