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伊賀大介×井野朋也×迫川尚子 トークセッション part2
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ベルク店長(以下、店)ー今回の立ち退きで出ていったのは企業の系列の店が多くて今残っている店舗は個人店で個人店の場合は出てってくださいといわれて、はい、ってなかなか言えない。個人店、という言葉をあまり意識していなかった。そうだ自分たちは個人店だったんだというのがあって。このベルク本でも”個人店が生き残るには?”ってサブタイトルになってます。セブンイレブンも実は個人店だったんです。要するにフランチャイズは個人店。商品は本部とかで決めますが経営者は個人。あらためてベルクは個人店であってフランチャイズじゃないってことをはっきりさせたほうがいいと思って。
昔Cafe&Restaurantの編集長が”インディーズカフェベルク”って書いてくれて、当時はよく考えなかったんですけれども、うちの場合はまさにそのインデーズなんです。要するにどこの後ろだてもない。フランチャイズじゃないし、チェーン店でもない。今日はその部分をはっきりさせるためにいろいろと・・

迫川尚子(以下、迫)ーそう、今までは個人店と大手、って大きく2つに分けて考えてたんですけどセブンイレブンさんの本を読んで店長がひらめきました。

伊賀大介(以下、伊)ーベルクの自由さ、インディーズゆえのかっこよさ、レコードとかバンドみたいにつくってる人の良さがそのまま商品に出たりとか、ダイレクト感がすごくいい。ベルク通信読みながらビール飲んでスタッフの人がどう考えているのかとか、ビール飲んでただおいしいってのももちろんあるんですが、どこでもいっかみたいなどこにでもある喫茶店ではなくて何かひっかかりがあるところがみなさんベルクに惹かれている所だと思います。

迫ーありがとうございます。

伊ーベルクはのれん分けとかしたことないんですか?




店ーないですね。独立した人はいますけど。

迫ーやれるものならやってみたいですよね。(笑)

店ーどうやってやったらいいのかすごい難しいですよね。

迫ー次のキーワードを。

店ーはい。”駅パブって?”

ベルクは駅にある、というのをあらためて思ってまして。特に新宿駅は一日に150万人行き交う世界一の駅です。目的も行き先も違う人たちが交差する場所にある。いろんな人たちに対応する場所にしようと思って店作りをしてきました。あまり個性というのは考えませんでした。それが結果的に個性的な店なったのかもしれませんが、私たちは個性よりも駅にある、というのを意識しました。駅を利用する人が誰でも利用しやすい店。そこでまず自分たちが守るべきことはなんだろうかと思ったときにスピード、安心感、リーズナブル、そういう単純なことを守ろうと思いました。毎日利用しても飽きがこない味を追求したら自然食志向になったり、食材が高回転することによって鮮度か保たれたり、飲食店の利用しやすいスタイルになりました。外国行かれた方から日本にパブなんてないと思っていたけどここにあったってよく言われて。パブって日本語にすると”公共の場”なんです。

伊ー”パブリック”のパブ。

店ーはい。朝からビールも飲めるし食事もできる。どういう風にもアクセスできる。
インディーズはパブに向いてるなと。マニュアルじゃない。決定権のある人が本部じゃなく現場にいる。新商品を出したときに普通企業だったら売れない商品は削っていきますけどうちは削れない。商品に愛着があるから。

迫ー思い入れが。ひとりひとり。

店ーだからどんどんメニューがふくれあがっちゃう。だけど1日一個でもそれ目当ての客様がいらっしゃる。うちらは愛着があって未練があるだけなんですけどお客様を救っちゃてる。それが可能なのは仕入れや仕込みをこまめにやるしかない。でも愛情があればそんなに苦じゃないんですよ。

迫ースタッフは大変だと思いますけど(笑)

店ーチェーン店とかフランチャイズでは起こりえないことが起こってるのかなぁーと。
今回のルミネさんの件でお客様と一緒に見つめ直すことができた。あらためて考える機会をいただいてありがたいっちゃなんなんですが・・。

伊ーベルクなんてもう新宿駅の一部じゃないですか。もー有料トイレとかいらない!
一回なくしちゃったらもう戻って来れないっていうのをちゃんと認識したほうがいいですよね。

店ー一度立てた計画はなかなかひけないらしくて。お客様がこれだけ声をあげてくださってるのでルミネさんも何か感じていただけるといいのですが。

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迫ー伊賀さんが今おっしゃった”一回なくすともう戻って来れない”、定期契約につながる言葉だと思います。2年とか3年、短ければ1年で出ていかなきゃいけない契約書に変えられて、新しい法律で2000年に通ったばっかりであまり知られていないんです。で、普通の契約だろうと思ってサインしちゃう。泣く泣くでっていったという店があると聞いています。

店ー出ていかなきゃいけない、っていうよりあまりこの契約が知られていないっていうことが問題なんです。

迫ーはい。定期契約がいい悪いってなると話がずれちゃうんでとにかくこの契約が知られていないんです。

店ー再契約の条件をお互い出し合って交渉の余地があるのかなと思っていたら一切ないんです。そこが一番引っかかりました。お互いつめるのが契約です。 

迫ー契約はお互いの信頼関係を築くために結ぶものです。

店ー住居の場合は途中変更は認められてないんです。店舗の場合はみんな企業がやってます。2000年に施行された時は個人店は眼中になかった。家主にとってはリスクは減りますがそれはそれでいい面ですがもう少し慎重に法律を考えてほしかった。

迫ー法律の本にこれから個人店はなくなっていくだろうと書かれてあったのでそれはちょっとないだろうと・・。

店ー本を書いたことによってインディーズの可能性をベルクだけに限らず探っていこうという使命が少しだけあります。

迫ーちょっと話戻るんですけど、おじいさんが関わってたからたまたま新宿だったんですか?

店ーじいさんが駅ビルを作った人、もともと自民党の大臣だったんです。要するにすごい偉い人。なんで作ったのかというと新宿の地主と仲良かったのか・・。

伊ーもともと新宿でお店をやろうとかは?

店ー全然思わなかった。もともと親がやってる店で親の職場だった。20代の時新宿をうろうろしてましたけど・・あ、新宿生まれ新宿育ち!

迫ー店長も伊賀さんも新宿生まれ新宿育ちで。

店ー今日はこじつけでちょっと・・(笑)

迫ー新宿生まれ新宿育ちって意外と少ないのかな?どうなのかな?

伊ーあんまいないですかね。俺西新宿ですけど。

迫ーあ、結構写真撮りにいきます。

伊ー今お袋と親父が住んでます。

迫ー今度行ってみよ(笑)

伊ー今がんがん攻められてます。久々に行ったらでっかいマンションが4、5個建ってて。

迫ーそうですか。

伊ー商店街とか公園とか全部ないです。もう終わってますね、個人店は。それこそコンビニとか。

店ー伊賀さんはいつスタイリストになろうと思ったんですか。

伊ー高校1年生くらいの時に雑誌を観ててこんなかっこいい作品があるんだと思って、こういう仕事に携わりたいなと思って職業探したらスタイリストってあったんです。

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店ースタイル、って洋服?

伊ーはい。イギリスの雑誌のクレジットでフォトグラファーとヘアメイクとモデルとスタイリストってあって俺機械ダメでフォトグラファー無理で、モデルはまず無理で、ヘアメイクも無理、残ったのがスタイリスト。16歳だったんでこりゃ行くしかねぇなと。

店ーへぇ~。

迫ーエビスザホップのスタイリングをされてましたね。

伊ーミュージシャンの方とかは自分で着てる服の味が良かったりするんでモデルとかみたいに着る服をガチガチに提示していくんじゃなくってトランク15個くらい持ってってバーって並べてミュージシャンがきたら一応この辺の感じがいいですって伝えてあとは一番気持ちよく演奏ができる服でいいですって。

店ー割とそういう感じ?

伊ーそうです。

店ー自分の美学で、とか。

伊ー全然ないです。

店ー自分の表現をするっていうのとちょっと違う?

伊ー映画とか舞台とかになると演出家と一緒に決めたりするってのはあるんですけど。

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ミュージシャンが演奏する時とかフィーリング、ライブ感、外身からカッコ良く見えてもギターが弾きづらいとか何の意味もないじゃですか。いい歌を歌う、その日その人がそこへ行くいい、じゃないですか。だからグッチのスーツ着てようがグンゼのTシャツ着てようがどっちだっていいみたいな。音で勝負。そこでストレスを与えたくない。

迫ーなるほどね~。

伊賀大介×井野朋也×迫川尚子 トークセッション part1
http://norakaba.exblog.jp/11234426
2008.12.12 伊賀大介×井野朋也×迫川尚子 トーク・セッションhttp://norakaba.exblog.jp/11140898
by bergshinjuku | 2009-04-18 22:25 | +その他+
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