東金屋さんを訪ねました。お休みの日でも、店内はスモークの芳しい香りが漂い、いつ伺ってもピカピカのショーケースが目を引きます。いつもはずらっ〜とショーケースに並ぶソーセージやハム達も、今日はお休みの日。静かな保管庫に大事にしまわれています。
東金屋さんのソーセージは空気を抜きすぎないふっくらパック。豚からソーセージになってまでも、一貫して余計なストレスを与えない為だそうです。繊細な心遣いと愛情が、さらに美味しくしてるのですね。
マスターは精肉屋さんの息子として生まれ、店番や配達をして小学生の頃からお小遣を自分で稼ぎ、高校生になってからは服を仕立てたり、銀座に遊びに行ったりと、かなりお洒落な少年だったようです。そういう若い頃からの見聞や食聞?が、今に繋がっているのでしょう。ママさんとの出会い、そして家業を本格的に継いで精肉屋に、そこから日々研究し試行錯誤を繰り返して、ソーセージ屋に転身へと。
ソーセージを勉強したい一心で、ドイツ人がいる所にはどこにでも押しかけ、怒られた事もあるそうです。そういう一途な情熱には舌を巻きます。組織や会社に属さず、自分の舌だけを頼りに勝負してきた姿は、覚悟と潔さを感じました。東金屋さんの担当をやらせて戴き、仕事に対して深く考え続ける事や真摯に向き合う事、他にも言い尽くせない勉強と経験をさせて戴いています。心から感謝し、幸せに思っています。
お話しにのめり込みながら、切り立てのハムと、極上のワインのおもてなしに酔いしれ、至福の時間を過ごしました。暗い中見送って下さった、マスターとママさんの笑顔が、数日脳裏から離れませんでした。(市原)
【ベルク YouTube】 千葉のマイスター東金屋にお邪魔する
今月のベルク通信 vol.188

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