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「ルミネ全面禁煙問題 1」 【ベルク副店長からお客様へ】 分煙について
分煙について

今、店で頭を痛めているのは、タバコ問題です。
ちなみに、うちへのクレームで最も多いのは「狭い(混んでて入れない)」ですね。
ただ、営業面積の限界は、いまさらどうしようもないことです。そのクレームをつけたお客様も、必ずそのあと「どうしようもないことだけどね」と付け加えて下さいます。この狭さがかえって落ち着くかも知れないし、どんなに混んでいても不思議とうちはどこかすきまができます。それも店の個性のうちと思っていただけたらありがたいです。
そして2番目に多いクレームが、そうです。タバコの煙です。せっかく食材にこだわっていても、煙ですべてパーだと言われたこともあります。今はどのお店も禁煙席がありますし、全面禁煙のお店も増えました。禁煙は行政レベルですすめられているくらいですから、喫煙者の私としては肩身が狭くなるばかりです。
タバコは血流に悪影響をおよぼすので、あまりおすすめできるものではありませんが、私にとってはスナック菓子と同様、いけないとわかっていながらやめようとは思わない嗜好品の一つです。(嫌煙ムードが強まる中、どうしても言い訳がましくなりますが)。滅多に口にしないものの、唐突に「ここで一服」という瞬間が訪れます。吸わなきゃ吸わないでいられるものの、「全席禁煙」だと、はじめからその瞬間が奪われてしまうので、何となくがっかりなんですね。
ただ、自然食レストランのような食材にこだわっているお店に、禁煙席をもうけないお店が意外とあります。明らかに時代の流れに逆らっているわけですし、何かポリシーでもおありなのかと(自然食品をあつかうこと自体、明確なポリシーをお持ちなんですが)店主にうかがってみたくなります。でも、なかなかタイミングがつかめず、とりあえず食後の一服を楽しんで帰ります。
ある自然食志向のお店では、当店では禁煙席をご用意していませんが、タバコをお吸いでしたらお隣の方の確認をとってからお願いします、とただし書きがありました。お隣に一言あるかないか。この違いはとてつもなく大きいですね。タバコに限らず、ちょっとぶつかっただけでも、ぶつかった方が謝るのは当然です。それは相手が年下だろうと女性だろうと関係ありません。
でも、その一言の謝罪ができない人が増えました。うちでも、そういう些細なことでお客様どうしトラブルになることが、ごくたまにですがあります。結局、私たちスタッフが間に入ることになりますが、店で何とかしろという態度を(えてしてぶつかった方が)とられると、何だろうなと思うことは正直あります。時には、ごめんなさいの一言でいいんですよ、とお客様にお説教することもあります。当事者どうしで何とか解決してほしいからです。それでも謝らない。子どもならまだしも、りっぱな大人だったりすると、どうしたものかとは思います。ぶつかられた方も呆れてらっしゃいます。すみませんねぇと結局うちがかわりに謝るんですけどね。そもそもうちが狭いのが悪いんですから!と。そんなことないよ、となぐさめて下さったり。でもそのままほっとく訳にはいきませんから、悪者になってでもその場をおさめるしかありません。
話が脱線しましたが、うちもタバコを吸われようが何されようが、基本的にお客様のエチケットとマナーにゆだねる姿勢でやってきました。それがうち独特の自由で和やかな雰囲気につながっているところもあるんじゃないか、と。そして、何かトラブルがあった場合のみ、店で対処させていただこうと。
「吸っていいですか?」と聞かれても、断りにくいというのはあるでしょう。実際に聞かれたら「まあいいか」と許せるかもしれないし、それでも嫌だったらご遠慮願えばいいと私は思います。それに聞かなきゃならないとなれば、聞く方も勇気がいるでしょう。本当に自分は吸いたいのか、自問自答するかも。惰性で吸うことはなくなるかも知れません。お隣どうしのちょっとした気遣いで、解決することもなくはないとは思うのです。ただ、煙自体は気遣いしませんからね~。
うちの店長も、気持ちとしては禁煙席というのはつくりたくない、それは白人席と黒人席をわける発想にどこか通じる、と常々言っています。それは理想と言えば理想ですけれど、現実問題として、そこに煙がからんでくると一筋縄ではいきません。
確かに、店の管理責任が問われる面もあるのです。うちも、禁煙ムードが高まる以前に、大型の空気清浄機を2台天井に備えつけました。時間限定で禁煙席をもうけたりもしています。ただ、最近は駅自体が全面禁煙になったため、喫煙者がうちに殺到するようになったのです。はからずも、うちが駅の分煙に協力する形になりました。
でも、こんな小さな店で駅の喫煙を一手に引き受けるのは、荷が重すぎです。悲鳴をあげたのはうちのスタッフたちです。夜のピーク時は、厨房まで煙がたちこめる事態になりました。ついに今年の春から、朝11時から夜11時まで、分煙させていただくことになりました。それで一時的に客数や売上に影響が出たとしても、やむを得ない判断でした。
ただ、何かと法律を盾におっしゃる方がいます。お上が決めたことだぞ!と……なぜかお客様ではなく、通行人と名のる方が、私たちに直接でなく、ビルを通して間接的におっしゃるのですが。日本は単一民族のせいか(と思いこまれているせいか)、何でも一元化して、法律も国民を縛るルールと思われがちです。でも、刑法や道路交通法のようなただちに人命にかかわる法律はさておくとしても、店には店のルールがあります。そちらが優先されるのは言うまでもありません。
いえ、何より優先されるべきなのは、お客様一人一人のちょっとした気遣い、つまりエチケットやマナーだと私は思います。何かトラブルがあって、当事者どうしで解決できない場合のみ、法律が切り札として使われるのです。
店では、まず私たちスタッフがその役割を担います。分煙は、あくまでもお客様のご理解とご協力の上に成り立つものです。お上が決めることではありません。


タバコを吸われない方にも考えてほしい

ちょうど、これ(分煙について)書いていたら、ルミネさんから「東京都の条例に従い、ルミネは館内を全面禁煙の方向で検討している」とお知らせがありました。
うちとしては、とりあえず「ちょっと待って」と申し上げるつもりです。そうしないと、黙ったままだと「異論なし」とされてしまうので。
お客様とテナントに向けて、まず説明会を開いてほしいんですね。喫煙者はもちろん、タバコを吸われない方にもできれば考えていただきたい問題です。
そりゃ、店としても、全面禁煙になれば灰皿洗わなくてすむし、壁も汚れなくてすむし、助かるんですよ。でも、そういうことじゃないですよね。
利用者みんなにかかわることが、何の話し合いもないまま決められていくのが果たしていいことなのか? ということです。
よろしくお願い申し上げます。

ベルク副店長 迫川尚子

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by bergshinjuku | 2010-04-03 08:50 | 副店長ブログ
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