「ベルク問題」というより、「JR問題」
ルミネ谷社長の訃報には大変驚き、ショックを受けております。
ベルクの立ち退き問題にからめ、メディア関係者からコメントを求められていますが、これ以上どうお答えしてよいものやら。
そもそも、駅ビルの買収&既存店一掃は、ルミネさんの企業方針と申しますか、JRグループが全国的に展開されていることです。売上の良し悪し、規模の大小、歴史の有無、営業権の有無にかかわらず、今まであったお店はことごとく追い出されます。問題はその進め方で、かなり一方的かつ強引なもの(時に違法スレスレ)です。しかも、テナントは商売上なかなか声をあげにくい。マスメディアも大スポンサーであるJRの批判は基本的にタブーです。その中で、不本意ながらあえて声をあげた当店ベルクだけが今目立っている状況です。
私どもがルミネさん並びにJRさんにうかがいたいのは、「共存共栄の道はない?」ということです。
しかし、「駅ビルの既存店一掃」はまるで国策のように大がかりに組織的に進められています。原発と同じで、一度決まったら誰にもひるがえせない。社長といえども、逆らえません。待ったをかけられるのは、唯一、世論しかないのかも知れません。
なのでこの問題は、当店を支持して下さるお客様にとってはあくまでも「ベルク問題」なのですが、世間一般にはむしろ「JR問題」でなくてはならない(ベルクだけの問題ではない)ように思います。
谷社長がJRからルミネに来られたのは、まだ一年ちょっと前のこと。あるテナントのオーナーによれば、とても温和で話のしやすい方だったそうです。
谷社長の名義でも、私どもは何度か文書をいただいております。どれも要約すれば、立ち退きを迫るものですが、タイトルが以前は「警告書」だったのが「通知書」に変わり、表現もいくぶんやわらかなものになりました。もしかしたら、谷社長なりのお気遣いだったのかも知れません。
今さらこんなことを申し上げてもしょうがありませんが、一度お会いしたかったです。本当に残念です。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
ベルク店長 井野朋也

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