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【9/23 店長・副店長出演】『阿佐ヶ谷ゴールド街とJRの裁判をめぐる立ち退き問題について語り合う』
※お知らせ
9.23(金)祝日 13:00-16:00
阿佐ヶ谷のロフトで迫川と井野がトークショーに参加します!!


『阿佐ヶ谷ゴールド街とJRの裁判をめぐる立ち退き問題について語り合う』
http://www.loft-prj.co.jp/lofta/reservation/reservation.php?show_number=735


ベルク店長の井野が、上記の裁判に提出した意見書をここにのせさせていただきます。
長いですが、よかったらご覧ください。



意見書


1.個人経営の店の特質、存在価値について。

「個人経営」と言っても、フランチャイズも個人経営なので、それと区別するため、企業の後ろ盾がない独立型個人経営を「インディーズ」と呼ぶことにします。
インディーズの特質は、何といっても店主の技、審美眼、哲学が店にダイレクトにあらわれることです。
もちろん、企業の系列店にも経営者や本部の考え(コンセプト)は反映されますが、いつも現場で目が光らせられるわけではなく、ほとんどマニュアル化されたものになります。

逆に、店主=経営者=現場監督であるインディーズは、店主のその場の判断(経験やカンによる)がそのまま店の方向性につながります。
オープン時から既成のネームバリューやシステムに頼ることができないため、すべて店主の肩にかかってきます。
店主のやる気のみならず、経営センス、計画性や分析力、向学心も問われます。
資金と場所さえ確保できれば、あとは思いつきだけで店を始めることはできますが、ひとりよがりで終わる危険性もあります。
そういう意味では、フランチャイズのほうが無難でお膳立てもそろっています。
インディーズのほうが不確実でリスクも高い。
が、だからこそやる方にとっては面白いし、やりがいもあるでしょう(家主は不安?)。
実際、インディーズの店主には個性的で魅力的な人が多く、店自体、「名店」とされるのは世界的に見てもチェーン店より圧倒的にインディーズ店です。

インディーズの可能性は、やはり経営規模が小いがゆえにフットワークよく何でもやれるところにあります。
それはお客様への対応ばかりでなく、スタッフ教育、仕入れルートの開発や商品開発においてもいえます。
系列店は店の運営が本部にコントロールされ、店長(現場監督)にさえ決定権が余りありません。
しかしインディーズ店は店主をはじめ店のスタッフの創意工夫がその場で試されます。
大手のように必ずしも結果主義ではなく、試行錯誤するそのプロセス自体が本人たちには楽しくやりがいのある仕事です。
それが系列店にはない、独特の活気を生み出します。
人が店に求めるのは、商品や接客だけでなく、そうした店の醸し出す雰囲気です。
系列店のシステム化された空気もそれなりに安心感がありますが、老舗のインディーズ店はその店にしかない熟成された味わいがあります。
人はそこにお金では買えない文化を感じるのです。
そうした文化を育てるには、利用者の理解、家主の度量の深さも大事ではないでしょうか。

都市やターミナルにふさわしいのは、チェーン店か?インディーズ店か?
それは一概に言えないところがあります。
利用者の行き先や行動目的は、多様で流動的です。
いつでも臨機応変な対応が求められます。
チェーン店はシステムが明瞭で一見便利ですが、マニュアル優先で意外と融通性に欠けるかもしれない。
インディーズはシステムが不明瞭で一見不便ですが、現場優先でいざという時心強いかもしれない。
もちろんケース・バイ・ケースですが、インディーズの可能性を最初から抹殺するのは、もったいなさすぎる気がします。
またジャーナリストの清野由美さんは、今「世界の大都市はビル街の足元に、低家賃で個人商店を導入する時代」であり、「効率至上で行きたいのなら、むしろ個人商店の価値にこそ気付くべき」としています。


2.店舗に関する定期借家契約の実情と問題点について。

定期借家制度の何がどう問題なのか?
何より問題なのは、何が問題なのかすらよく知られていないことです。
特に店舗の場合、普通契約から定期契約への中途切り替えが法的に可能であるというのは意外と知られていません。
それは端的にいえば、店が営業権を手放すことを意味します。
住居の場合、中途切り替えは認められていません。
住人が居住権を失い、突然追い出されたら、路頭に迷いかねないからです。つまり、居住権=生存権はまだ守られている。
ただ店舗でもインディーズ店ともなると、営業権の喪失は、生存権までおびやかされかねません。
切り替えの際、家主側には一応説明義務があり、強要は認められていません。
ただ、店側は予備知識がないため、せっつかれれば、よく調べもせず、よくわからないままサイン(同意)しがちです。
もちろん切り替えられても、「義理と人情」の世界が生きていれば問題ないかもしれません。
でも営業権を失えば、家主に突然何の理由もなく何の補償すらなく追い出されても、モンク一ついえず、何の法的手段もとれないのです。
そうなった時は後の祭り、泣き寝入りするしかないという事態が実際起こっています。
店の存続に関わるトラブルは、店にとって即致命的なイメージダウンになる(お客様だけでなく、業者さんもスタッフもひく)ため、店主は最後まで隠そうとします。
普通契約から定期契約への切り替えは十分トラブルの元になり得ますが、なかなか社会問題化されないのは、「被害者」である店主が声をあげない(あげたくてもあげられない)からです。
そのせいでトラブルは目に見えないところで後を絶ちません。

定期借家制度は、切り替えのみならず、新規でも落とし穴があります。
定期契約は普通契約のような自動更新がないので、期限が来れば、契約終了です。つまり、ここで家主が出ていけといえば、出ていくしかないのです。
確かに再契約という道もあります。
ただ、自動更新(よほどの理由がない限り、期限を過ぎても契約がそのまま更新される)と違い、再契約は契約がいったん破棄されるわけですから、家主の新たな条件に従うことになります。
もしそこで家主が賃料を倍にするといえば、そうなるのです。嫌なら、やはり出ていくしかない。
資本力もネームバリューもある企業系列店なら、条件が悪くなればさっさと撤退するでしょう。
しかし、そうでないインディーズ店はそうもいっていられません。
地道に根気よく、地元に根付いた商売をやってきたインディーズ店にとって、移転はふりだしに戻る=今までの苦労が水の泡になる恐れがあるからです。
定期契約は、駅周辺等の一等地ほど猛烈な勢いで浸透しつつあります。
たった1年か2年の定期でも、大手系列店なら元がとれたり、何らかのメリットがあったりするのかもしれません。
しかしインディーズ店は、ある程度の常連客がつくだけでも一年以上かかります。
特に飲食店の場合、設備投資にかかったお金を取り戻すだけでも数年かかります。
10年でやっと店が店らしくなる(余裕が生まれる)という感覚もあります。
そもそもインディーズにとって店を続ける目的は、目先の利益とは限りません。
トントンでも、お客様と喜びを分かち合うことだったり、本物を追求することだったりします。
少なくとも、定期借家はインディーズ店には全く不向きな制度なのです。

ベルク店長 井野朋也

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by bergshinjuku | 2011-09-17 23:29 | +その他+
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