![]() ピカソに並ぶ日本の偉大な画家、中村正義展、練馬区立美術館で開催中!! http://www.city.nerima.tokyo.jp/manabu/bunka/museum/tenrankai/nakamuramasayoshi12.html 中村正義の絵 「街」1967 12年前、ベルクの開店10周年記念の月(2000年7月)にベルクの壁を飾ったのは、中村正義の「顔」シリーズでした。 副題が、『写真で見る中村正義』…さすがに原画は傷ついたり汚れたりしたら恐いので、画集用に酒井敦さんの撮られた写真を使わせていただきました。 正義のライフワークだった「顔」の作品群をずらーっと。圧巻でした。 勿論、正義の娘さんであり中村正義の美術館の館長である中村倫子さんの許可を得て。 また、10周年当時、中村正義の美術館で発行されていた「顔・顔かわら版」という会報の<シリーズ1枚の絵>というコーナーに、恐れ多くも私、書かせていただきまして、下にのせさせていただきました。拙い文章ですが、一生懸命書きましたので読んでいただけるとうれしいです。 (迫川) 中村正義の絵を見るってどういうこと? 絵ってどうやって見る?一瞬で通り過ぎるようにして見る。じっと目をこらして見る。それは絵にもよるな。その時の見る人の体調にもよるな。 絵は見るものだ。いや、そうとは限らないかも。思い出す絵もある。頭の中で再現して見るのか。それからまだ見ない絵もある。見なければ、存在しないに等しいか。 中村正義の絵を見るってどういうことだろう。これまで実物を何点も目のあたりにした。画集も持っている。つまり私は中村正義に並々ならぬ興味を持っている。まだ見ていなくても、正義の絵なら、見てみたい。まだ見ていないことのほうが不思議なくらいだ。 私は中村正義という人物にひかれているのか。その画風にひかれているのか。中村正義とは絵の作者の名前だ。作品と作者は切り離すべきだ。作品は作品として純粋に評価し、鑑賞するべきだ。そう思いながらも、私は、中村正義という名前を消すことが出来ない。 これから先、作品によって失望させれたりすることがあるだろうか。それとも正義というだけで、絶大な信頼を寄せてしまうだろうか。恐らく、そのどちらでもないだろう。うまく言えないのだが。 私の知る限りでも、正義は沢山の画風の異なる絵をこの世に残している。器用に描き分けたにしては、その異なり方が半端じゃない。劇的過ぎる。心境や環境が変化するのか。手法を改革するのか。今のところ、どの絵にもびっくりさせられている。そして、そのびっくりの質が、一枚一枚で違う。この画風の激変ぶり自体、私には面白い。 一枚一枚見るのとは別に、正義が一生かけて描いた無数の絵を全部で一枚の絵として見ることも出来る気がする。そのへんはプロの評論家がもっとうまい、気の利いた説明をしてくれるかもしれない。 ただ、これだけは言える。正義の絵は、評価したり鑑賞したりする対象以上の存在として、私とかかわり、私に何か投げかけてくるのだ。正義の絵を一枚だけとのことなので、そんなことは無理なのを百も承知で、あえて「街」を選ばせていただいた。仕事のあい間に街の写真を撮ることをささやかながら私のライフワークにしているせいか、まず「街」というタイトルに思い入れがある。 今の東京を記録しておこうとか、そんな意図がはっきりある訳ではない。街をうろつくのが目的なのか、撮影するのが目的なのかすら実は判然としない。探しものをするように、誘われるように街のどこかにひきこまれる。歌舞伎町に、幼少の頃過ごした熱海の街を重ねたりする。もしかしたら、街を歩きながら自分の記憶をたどっているのかもしれない。 「街」は十年前、池袋西武の展覧会で実物を拝見した。画集などで見るより、道がもっと黒かった。色が深くてきれいだった。そのときは他の絵に圧倒されていて、これはどちらかと言うと通り過ぎるようにして見た絵だった。 今思い出すと、傷口に触れるような、痛いような、なつかしいような、おかしいような気分になる。 この絵の前で、画家の田島征三さんとばったりと会ったのだった。「こんな絵を描く人は」と田島さんはおっしゃったのだが、その先を憶えていない。ただそれ自体が街中の出来事のように思えるのだった。 迫川尚子 ![]()
by bergshinjuku
| 2012-02-29 09:35
| +その他+
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